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みみとしっぽと添い寝の話し -Side Tukiyo-


お風呂からあがって、みみとしっぽをしっかり乾かして、トテトテと側に来てジッと見つめる。
ひざの上に乗せ、いい香りのする頭を撫でる。
幸せそうに目を閉じて、可愛らしい声が微かに口からもれてくる。
布団に入るまでの少しの時間をそうやって過ごすようになってから、1ヶ月経っていた。

「兄さま……」

すぐ目の前から囁くような月夜の声が聞こえた。
いつもなら足音で気づくのに……
と思いながら、閉じていた目を開けるよりも早くとてもやわらかい感触が唇をふさぐ。
頬を赤らめ、満月のように輝く瞳がすぐ目の前にあった。
そしてもう一度唇に柔らかい感触。

「兄さま、もう猫をかぶるのはおしまいです」
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