ある初夏の昼下がり、俺の家に少女がやってきた。 唯一の肉親である父親を亡くし、遠い親戚に当たる我が家に身を寄せる為に来たらしい。 彼女の名はナツキといった。 小柄な体にふわりとした両側に括った髪、誰が見ても可愛らしい普通の女の子だ。 でも一つだけ普通じゃない事があった。 それはとても根本的というか致命的というか… とにかく俺にとっては看過する事の出来ない大問題だった。 なにしろ、ナツキは彼女ではなく「彼」だったのだから── という事で今回は「おとこの娘」がメインのお話となります。 体は男だけど心は女の子、かといってオカマでもなくゲイでもない… そんな微妙な位置にある「おとこの娘」がテーマです。